開発中のロッドClerus510Lで冬のブラウントラウトを狙う

ブラウントラウト

1月。暖冬とは言いますがやはり寒さが身に染みる季節です。今年は雪が少ないので川にアクセスしやすく歩きやすい。いつもの冬の釣りよりは疲労感は少ないかもしれませんが川で魚を釣るには厳しい季節であることには変わりありません。地域や河川によっても違うと思いますが冬の釣り方を私なりに考えています。そこで今回は元旦に釣りに行ったブラウントラウトの釣行について書いていこうと思います。

今回の釣行で使用したロッドはただいま開発テスト中のClerus510L。このロッドは30~50センチクラスのトラウトをターゲットにしたロッドでルアーウェイトはだいたい3g~14gの範囲のも使用しています。

寒さ対策は万全に

気温はマイナスで水温もウェーディングシューズ越しに冷たさを感じ、ガイドも凍る「これぞ冬の釣りの醍醐味だよなぁ」という釣り人独特のドМな脳内になりながら雪の積もった川をひたすら釣り上がります。ガイドが凍る事は普通にストレスですし、ベイトリールはレベルワインダーやラインまでも凍るので温めたり拭いたりしながらの釣行になりキャストは出来るだけミスがないように等かなり神経質な釣行ですが、それすらも楽しく思えるのが冬の魔法。すなわち、「ドМ釣行の楽しみ方」といえるでしょう。笑

(ちなみに冬の渓流は滑りやすいので注意が必要です。私はこの日3回も派手に転び脛を強打して未だに青あざがあります(笑)ロッドとリールを守る癖がついてるのでどうしても変な転び方になります・・・)

冬の渓流

魚の反応を求めて

水深がないところからの反応はなく、流れのあるところではダウンでじっくり攻めると、もさっとした浅いバイトがあるのみでヒットまで持ち込めませんでした。どうしても冬はバイト後のフッキングのタイミングが難しく何度も「あー!!」っと叫ぶシーンもありました。ミスが続くとオーバーリアクションになったり変なテンションになりがちです。そしてそのまま進んで行くといいカバーと、水深がある程度深い良いポイントに辿り着きました。倒木もあり流れが緩いところの表層は氷に覆われていてここは狙いを定めて一発でキャストを決めたらいい魚に会えるかもしれない。

伝家の宝刀「i Jet Link スプルト見参!」

「コンパクトにキャストができて素早くボトムに到達するルアーは何だろう。」とポイントを眺めつつ、おもむろにルアーケースを見て思いついたのは私の必殺技でもあるi Jet Linkのスプルトでした。他にバイブレーションやヘビーシンキングミノーも考えたのですがカバーに覆われているポイントで的確にキャストを決めなければならないと考えていたので使い慣れたこのスプーンを使用することにしました。

このスプルトというスプーンはフォールスピードが速く、なおかつしっかりとアピールができるのでボトムを探る釣りには重宝します。今回は各種あるウェイトの中から7.8gを選び悴む手にはぁっと息を吹きかけ集中し、カバーと倒木が入り混じる複雑なポイントにキャスト。

ラインを見つめながらボトムを探りゆっくりとリフトアンドフォールしながら倒木を交わすように慎重に攻めていきます。そして倒木の際でリフトした瞬間、微かな違和感が伝わってきてタイミングを見計らいフッキングをすると手に伝わる重さから「これは大きいかも!」という緊張感に変わり倒木にまかれないようにロッドのテンションを保ちつつ巻き続ける。

最初の一言は我らのボス「オガケンさん」

魚体が見えた瞬間「あれ?もしや結構でかい?」と背筋が少し寒くなる感覚を覚えつつ、こういう時に限ってリアクションが出来ずに無言でファイトをする。このロッドで楽しむマックスサイズに近いのではないかという、いわばガクブル状態。

さすがに50センチ台後半になると顎もかなり硬くなりフッキング時の貫通力やパワーを考えるとClerus60Cの方が安心してファイト出来るし、ラインシステムも強くできます。

しかし、本日のロッドはClerus510L。

「もうこのロッドで勝負するしかないし、しっかりキャッチしないとここまで来た意味がない!バラしてたまるか!」と覚悟を決めてファイトを続け、ある程度のところでランディングに入ろうとした瞬間・・・なんとランディングネットのりす捕りあみが浅く魚が入りきらない。これは最大のピンチだと「頼むよオガケンさん!」とぼやく。ファイト中やっと言葉が出たとおもったらこの言葉。そんな自分に笑えて来てツボっていたらリラックスできたようで落ち着きを取り戻しどうにかランディングに成功。無事キャッチすることが出来ました。

冬のブラウントラウト

キャッチした後に「もっと大きいりす捕りあみが欲しいよ、オガケンさん・・・」とまたぼやく私。

忍び寄る影

釣れた魚は冬ならではのサビが上がり黒ずんだ56センチの見事なブラウントラウトで「この色のブラウンもカッコいいなぁ」とニヤニヤ。しかも今回はミラーレス一眼用に新しくPLフィルターも買っていたので写真を撮って寒さを忘れ、釣れた喜びにひたっていると「ガサガサ!」とやや大きめの音がして雪が落ちた音ではなく何かが動いた音だとすぐに気づきました。

すぐさまカメラをジャケットの中に突っ込みクマスプレーに手を伸ばしながら周りを見渡すと数メートル先で影が動いている。ここはハイシーズンはヒグマの目撃も多く警戒しなければならない場所なので緊張感が走る。

「新年一発目からやらかしたかな・・・」とクマスプレーを取り出した瞬間「バッシャーン」と何かが川に飛び込んできた音が静かな真冬の渓流に鳴り響き息をのみながら見ているとなんとエゾシカ!!しかも群れで次から次へと川に華麗にダイブしながら対岸へ渡っていく。ざっと数えただけで5頭。頭の理解が追い付かないまま今度は下流側でも3頭走り去っていく。完全にエゾシカに包囲されていたようでした。

「いやいや待て待て。ここでこんなに鹿に遭遇したことがないぞ。」とヒグマではなかったことに安心したがやや混乱。しかも結構な至近距離でこの頭数。エゾシカは確実に増えてるなと改めて実感しました。

雪の上は野生動物の足跡や痕跡を確認しやすく見通しも効くので恐怖心はいつもより低めですが冬場でもヒグマとの遭遇経験があるのでクマスプレーは必ず携帯しています。(気温があまりにも低いとスプレーが発射しにくくなりますので注意してください。私は休憩ごとに保温したり携帯するところを変えたり工夫しています。)

キツネの足跡
※キツネの足跡です

釣行を終えて

冬の釣行はハイシーズンと比べると修行の釣行になります。体力的な消耗も激しいうえに釣果もふるわない。そして慣れていないと雪が積もった渓流では雪で障害物が見えなくなっていて石や倒木の隙間に落ちたり足が挟まる危険性もあります。そして天気はもちろん気温上昇による状況の変化にも気をつけなければなりません。(雪解けによる地盤の変化や雪崩などにも注意が必要です。)あとは帰りの運転で車中が暖かくなると眠気に襲われることもあるので釣行後も気を抜かないように気を付けましょう。

これらをしっかりと理解した上で釣行することをお勧めします。

私自身、冬の渓流釣行歴は長いですが北海道でも温暖な道南だから出来る事だとも思っています。そして冬の状況を確認しておくと春の釣行にも役立つ情報がたくさんあるので今後も体力が続く限り冬の渓流に行こうと思います。

ブラウントラウト

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「魚を釣る楽しさを」という、原点回帰のロッド

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私がプロデュースさせて頂いた渓流ベイトフィネスロッドがTulalaから発売開始されております。

私の目指したところは「魚を釣る楽しさ」
小さな渓魚との出逢いにも笑顔になれて、ファイト時に思わず笑顔が溢れるような釣りを楽しめるロッドです。

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