ツララの渓流トラウトベイトロッドClerus411UL徹底解説(インプレ)

「魚を釣る楽しさ」をコンセプトとして発売されたClerus(クレールス)411UL。

昨年はヒグマの出没が多く、特に山間の渓流に行くことも恐怖心からためらう事が続きイワナヤマメ釣行には個人的に満足に行けなかったと思っています。恐怖心を持ちつつ、やっと行った渓流で魚が釣れた時の喜びは大きく、小さな当たりも笑顔になれるという事を改めて感じました。

そこで今までTULALA公式ブログと個人SNSで釣果メインで更新していましたが、今回改めて個人ブログでClerus411ULについて解説していきたいと思います。

ロッドの特徴

クレールス411UL

柔らかめのレギュラーテーパーでティップはしなやかさと柔軟性があり、ヒットした時は美しいベントカーブを描きます。小さい当たりもしっかりと手に伝わり逃さないようにからめとるような柔軟性を持っています。

キャストについて

基本的にベイトフィネスロッド全般に言えることですが、Clerus411ULでもテイクバックが重要になってきます。しっかりとティップを曲げることがポイント手首でロッドを素早く振るのではなくティップとベリーにしっかりとウェイトを乗せることでその反動でしっかりと狙ったところにキャストが決まるようになっています。そしてベイトフィネスリールを使用すると2g台のキャストもバックハンドキャストが可能です。

テイクバックから前方へ放出する(スイングする)

※スイングする際は前に振りにいかない事がポイント

キャスト性能を追求していてClerus411ULのロッドのバランスからテイクバックが非常にしやすいロッドになってます。ワンアンドハーフで軽量かつ絶妙なバランスのロッドです。生き物のようにしなやかなティップから放出されたルアーが低弾道で狙ったポイントに飛んでいく様子を瞬間は今でも自分で見てうっとりしてしまいます(笑)

ちなみにベイトフィネス=バックラッシュしやすいというイメージを持たれている方も多いと思いますし、ベイトを始めたばかりの時などはロッドをキャストしたいところに振って飛ばそうとしてバックラッシュするということを多くの方が経験していると思います。実際私もベイトフィネスを始めたばかりの頃は最初のコツを掴むまでバックラッシュをするたびに何度も川で叫んでいました。でもその時の経験から少しでも簡単に出来るだけ多くの人にこのロッドでベイトフィネスは楽しいと思って欲しいという気持ちからこだわったところでもあります。

キャスト動画については私の個人SNSに投稿してありますので参考にしてみてくださいね。

フッキング

「柔軟性のあるロッドでフッキングしにくい」という疑問については「ロッドを自分の手前(胸元)に引き寄せる」方法がフッキング率が格段に良くなると思います。スプーニングなどの巻きの釣りをした際はそのままバイトをからめとる事が出来ますが、ミノーアクションからのフッキングの時はこのロッドをを引き寄せる形のフッキングの方がロッドの曲がりとパワーがしっかりと伝わります。イワナ・ヤマメ釣行に使う柔らかいロッドではうまくフッキングパワーが伝わらないと悩むときはこの方法を試していただけると違いがわかると思います。

ベントカーブ★

「柔よく剛を制す」という言葉がありますが、このイワナ・ヤマメ用ロッドにも共通することがたくさんあってロッドをしっかり曲げることで魚をいなす事が出来ると思います。そして私個人としてはこの「ロッドの曲がり」を楽しむことも重要視しています。小さい魚の力強い生命を感じること。そして小さくても美しい魚との出逢いを大切にして欲しい。そんな願いからです。小さい渓流魚でもしっかり曲がるロッドになっています。15㎝ほどの魚でも曲がりますが、尺サイズのヒット時は「こんなに綺麗に曲がるの?」と思いながら釣りを楽しめると思います。

ルアー操作性★

Clerus411ULのキャストフィールは3g~4gが一番気持ち良く扱いやすくスプーニングが得意なロッドです。巻きの釣りはとても楽しめると思います。

ミノーイングについては5㎝以下の小型のミノーであれば問題なく使用することができます。トゥイッチやストップアンドゴー、リフトアンドフォールなどのアクションも私は楽しんでいます。

そして公式ブログでも触れておりますがヘビーシンキングミノーについてはポイントを選び少し扱いづらいと思います。私がヘビーシンキングミノーを使うときはリフトアンドフォールだったり、ポイントの流れの速さや水深をしっかり見極めています。

クレールス411ULとイワナとスプルト

ロッドに込めた願い★

釣りは楽しいものでありたい。「魚を釣る楽しさ」という原点回帰のロッドとして制作に携わらせていただきました。

私は父の影響で渓流釣りを始め、幼い私が小さい渓流魚を釣ると自分の事のように喜んでくれた父の笑顔が嬉しくて釣りが大好きになりました。

ただ大人になり釣行を重ねていくと、どうしてもストイックにサイズを追うようになります。私も釣りをしていくうえで大きい魚を追う日々が続きどこかで「楽しむ釣り」から「サイズ重視の釣り」になり、ストイックな釣りに集中してしまうがゆえに、スランプに陥ったり小さい魚を喜べず悩むことがありました。

そして私は持病があり体調を崩すと運転はおろか、釣りに行くこともままならなくなってしまいます。体調が良くても休みのタイミングで大雨が降ったり思うように渓流に行けないことが続いたり、いろいろ苦しんだ時がありました。

そんな状況を乗り越えようやく釣りに行けて魚が釣れた時に「釣りに行けること自体が幸せなことなんだ」と涙が出ました。苦しい時期を経験したからこそ気づいた気持ちだったかもしれません。その気持ちと同時に「父と喜びあった小さい渓流魚をまた楽しめる釣りがしたい。そしてその喜びと楽しさを伝えたい。」こんな気持ちになり、この想いこそ「原点回帰」でした。

ちょっと(だいぶ)ファザコン気味に思われるかもしれませんが(笑)、父がいたからこそ今も釣りを楽しむ私がいてこのロッドに繋がったと思っています。

今でも父と一緒に渓流に行きます。

そしてイワナ・ヤマメは他の大型トラウトと比べ小型ですが、山間の小渓流だったり自然を多く感じるフィールドで狙う事が多い魚です。そんなフィールドで釣りをして、魚と出逢ったからにはそのチャンスを逃してほしくないし、その魚の命、力強さを感じて「釣る喜び」を感じて欲しい。

そんなたくさんの願いと気持ちを込めて出来上がったロッドがこのClerus411ULです。

余談とあとがき★

この想いを形にしてくれたTULALA。

代表の小川健太郎さんがしっかりと想いを聞いてくれて、社員の皆様の協力を経てClerus411ULの開発テストは進んで行きました。

そして主人は同時期にビッグトラウト用のClerus60MLを開発テストしていて、対象魚が違い一緒に川に行く回数が減りましたが「たくさん魚を釣ってしっかり意見をフィードバックしていかなければ良いものは作れないからお互い頑張ろう」と言ってくれたので何よりも釣りを優先し渓流に行き続けることが出来ました。

メーカーや家族に支えられたからこそClerus411ULは出来上がりました。本当に感謝の気持ちしかありません。

ちなみに私は今でもサイズを狙う釣りもしますが、前と違ってストイックになりすぎず自分のペースであれこれ考え楽しみながら釣りをしています。

そしてこれが、現在私と主人で共同開発テストしている「Clerus510L」というロッドに繋がっていくのです。

「釣りは楽しいものである」

一人でも多くの人にこの想いが届くように。そして笑顔になれますように。

そんな気持ちを今後も伝えていければ良いなと思ってます。最後までご拝読いただきありがとうございました。

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「魚を釣る楽しさを」という、原点回帰のロッド

clerus411ul_parts02

私がプロデュースさせて頂いた渓流ベイトフィネスロッドがTulalaから発売開始されております。

私の目指したところは「魚を釣る楽しさ」
小さな渓魚との出逢いにも笑顔になれて、ファイト時に思わず笑顔が溢れるような釣りを楽しめるロッドです。

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